『明日、ママがいない』に慈恵病院が必死で抗議する本当の理由・1

ドラマ『明日、ママがいない』に慈恵病院が放映中止を要請している問題。

ずれてんだよなぁ…。

児童施設協まで大きく抗議しだして、どんどんややこしくなってますね。
 

ぶっちゃけざっくり言うと、慈恵病院の要請は、

芦田愛菜ちゃんの役名を『ポスト』から変更してほしい」

これ、ただ一点です。
言い切っちゃうけど、子供たちに悪影響が〜とかって話はおまけです。

愛菜ちゃんの役名が違っていたら、慈恵病院は会見をしなかったに1万円。

ドラマではコインロッカーに捨てられたから『ロッカー』という名前の青年が登場しますが、
彼がポストで、愛菜ちゃんがロッカーだったらやっぱり慈恵病院は会見しなかったに5千円賭けてもいい。


今回の問題を理解するポイントは2つで、

・放映中止要請をしているのは施設じゃなくて、慈恵病院だということ。
・なぜ、慈恵病院は第1話が放映される前(つまりどんなストーリーかわからない時)から内容変更を要請したのか?

ってところにあると思います。
そして最も重要なのは、『慈恵病院は、カトリック系の病院である』ということ。


カトリックでは、人間の命は神聖なものとして扱われます。
神様以外の存在が、人間の命をコントロールすることはあってはいけません。
そして、受精した瞬間から人間だとみなします。
罪のない人間を殺すことは絶対にあってはならないことで、
胎児はまったく罪がない人間なので、中絶は殺人よりも重罪となります。


なので、カトリックの病院では中絶手術は行いません。
(行った医師は即破門です)
ご存知のように、慈恵病院には赤ちゃんポストがあります。
育てられない子供も神聖な命ですから、産んで赤ちゃんポストに入れてください、と設置されているわけです。

ということで、今回のドラマを観て、
「子供達がかわいそう、望まれない命は中絶した方が幸せなんじゃ…」
とか視聴者が考え出したら大変!放映中止しなきゃ!
…って話ならまだわかりやすいのですが、この問題はもうちょい複雑です。
(2)へ続きます。